鉄骨の上に座り、あるいは落ちないよう気をつけながら気怠げに燻らせるのは諦念と柔らかい死、掌に収まる冬を噛みしめる。どうやっても紫色には見えない溶ける曖昧の白色、吐息と混じり合って増幅する、あまりにも白に溢れた眼前から生きていることを自覚する。喫煙者のことをヤク中と呼んでいた私はどこにもいないから、包装が豪華だって理由で買ったクレテックタバコにまた火をつける。少しずつ甘さが違うことすら愛おしく感じると云うと、隣にいる日常は、喫煙者って咲う。