2019-01-01から1年間の記事一覧

祐天寺駅徒歩7分1dk

来春に卒業する先輩の引っ越しを手伝うために朝早くから新居に行く。鉄骨の新築だから良いじゃないですか。5階の高さなんて、窓開けたらすぐに換気できますと、煙草を吸わない人の新居でガラムのスーリヤマイルドを吸っている瞬間、気持ち良くて脳イキしそう…

朝摘みオレンジ天然水

隣の家の屋根に物を置いて熱消毒するような夏が終わり、来たかどうかわからない秋を待ちながら服を洗う。暑くて動きにくくて寒いスーツを着る理由がわからないからスーツを考えた人は死んで欲しい。死体で家系ラーメンを作って食べよう。脊椎を寸胴鍋に入れ…

久しぶりに帰ったら双子の友人の片方が子を孕み結婚を控えていたから、NTR漫画のようだと笑いながら残りの片割れとやるスマブラの名前を ふけたらんし にした。

生活

口を開くのを億劫に感じはじめている。表情筋が使われていないのがよくわかるとかつて一緒に暮らしていた人が言った。毎朝同じ時間に登校して、居室に行く。ここは誰も使わない。専門書が壁一面に並べられる横に貼り付けられた乾燥して黄ばんだ紙に30 May 20…

荒々しさが私を轟々と運んでいく。自意識は時速80kmで出荷されてしまうから千葉の溝鼠たちはぐんぐんと小さくなっていくのだろう。鼠の国だけ景気がよくなるらしい。ビザが年々値上がりしていく。 腐臭はおそるべき速さで薄れて、あたらしい腐臭のもとに辿り…

6月

大学に書類を提出した夏の日、キャンパスにいる人間ひとりひとりに生活があって「やって」いて「やって」いくのを急に実感して死にたくなったのを覚えている。自尊心はとうの昔に失われていたと思っていたのに、最後の最後に縋りついていたこれからの絶望が…

salmon

私って二股してるんですかね?みゆちゃんは可愛いから仕方ないよ。 22時過ぎに起きてTwitterに張り付いた後、駅前のスーパーに乾麺とちくわを買いに出かける。明日の昼食を買わないといけないことを思い出し、即席麺売り場に向かうと、しばらく見なかった「…

年齢に意味はない。誕生日を迎えるたびに自分が思ったより若いことに驚く。成人してからは自分の年齢がわからなくなった。ただ毎日が過ぎ去っていくのを茫然と眺めることしかできない。あらゆることがどうでもよくなってしまった。大人になると得られると信…

nobody

イヤホンをして首の裏を掻くと陶磁器を触っているときと同じような音がする。すっす、さらさら、かさかさ。そういった乾燥を乾燥で擦り合わせるような音がする。かたいものや中身の詰まったものを叩くときと同じ音がする。 そうなるとわたし自体がまるで入れ…

夢(1)

倒れるようにやる気がなく自然にそのままにしておくことがコツです。気道を確保することだけを忘れずに。(倒れる人間)(倒れる人間)(倒れる人間)繰り返し行われる。虹色のモヤっとした動きをしながらおばさんは私に話しかけてくる。自らが被介護者とな…

連絡

何も書くことがない。あえて言えば〈否定的な感情〉や〈刹那的な希死念慮の発露〉など適当な単語を並べて暮らしている生活に飽いているということ。桜が咲いて花を見に行ってただボンヤリと生活に思い巡らすうちにまたひとつ年を取るのかもしれない。 動物園…

自転車

高校生の頃乗ってた自転車は3日に1回チェーンが外れる。それを口実に遅刻した。私たち*1はカメハメハ大王だから雨が降っても休み。雪が降っても休み。冬は寒いから休み、冬に自転車を漕ぐと頭が痛くなるから。休み。休み。休み。 担任はそんな自転車に乗るの…

中央線

立川駅午前10時頃地の果てに行きたくて白と青に乗り込む。ピキピキと一直線に伸びた中央線は地図で見ると異様で誰とも馴染めない四角四面な印象。立川駅で直線が終わるから一度降りて乗り直す。曲がり始めた、生きている鉄の船に乗った西へ横滑りしても路線…

Warai 餃子定食 650円

火傷した。日高屋に入ってダブル餃子定食を頼むと付いてくる白米とスープには湯気の蠢きがある、もちろん餃子も熱いけれど内側に熱が篭っているから湯気は立たない。ならば最初はアツアツのものでしょう、スープを一口飲んでレンゲいっぱいにネギと油を掬っ…

没落と偶像崇拝

数年振りに会った彼からは知性の輝きなんてものは1ルクスさえ感ぜられなかった。 Yと私は中学生の頃に同じ部活に入っていて、2年生でクラス替えをしてからは卒業するまで同じクラスだった。当時のYからは素朴な知性が滲み出していた。知的好奇心を擽る言葉を…